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バカのシャツの襟から首が突き出しており、首の上には頭があった。頭はいつかだったか髪を短く刈られていたこともある。今ではブラシほどにも伸びてしまった。バカは何のかんのとたくさんしゃべる。誰も聞いちゃいない。「いつ黙って去ってくれるのかな?」とみんなが思っている。だけどバカは、何にも気がつかないで、しゃべって笑い続ける。
ついに、我慢できなくなったヨルボフが、バカのほうへ歩み寄り、短くも猛烈にこう言った。「いますぐ外へ出て行け」。バカはなにが起こっているのか察せず、ぼんやり辺りを見回した。ヨルボフがバカの耳の辺りを殴りつけた。バカはベンチから吹っ飛んで床に投げ出されてしまった。ヨルボフが彼を蹴り上げたので、バカはドアから吹っ飛び、階段のほうへすっ飛んでいった。
バカはバカのくせに、その上まだ何かを表現したがるということが人生にはよくある。こういう奴らにはビンタだ。そう、ビンタだ!どこを眺めようとも、周りじゅうこういうごろつきのバカ面ばかり。あの面は長靴でぶん殴るがいいだろう。
1934年8月
な、なにかあったのでしょうか・・・。